植物性原料で持続可能な 無魚粉の養殖魚用飼料
国内産原料 × 発酵技術
わたしたちは、植物由来の原料や微生物を活用した農業資材の製造・販売をしており
「植物も人も気持ちのいいものを」テーマにしております。
酒粕や米糠といった自然由来の素材を主原料とした発酵肥料を製造しており、成分を追求するなかで
発酵によって増量されたアミノ酸成分は養殖魚飼料としても優れた効果を発揮することを発見し、
これは魚の健康にとっても人間にとっても有益であることを確信しました。
この発見を機に養殖業界への新たな挑戦を決意しました。
農業分野での経験と技術を基に、私たちは地球に貢献できる持続可能な資材づくりを目指しています。
環境負荷を減らしつつ、安定供給できる代替飼料の開発が求められています。
原料として採用している酒粕と米糠は、魚の健康に欠かせないビタミンB群、アミノ酸、ミネラルを豊富に含んでいます。 特に、酒粕はビタミンB群やアミノ酸、ミネラルに優れ、米糠は脂肪酸を多く含むため、魚の免疫力向上や成長促進に寄与するとされています。 これらの成分が優れた栄養価を持つことは広く知られており、養殖魚用の餌として活用が試みられておりますが、栄養バランスの調整やコスト面の課題から、実用化には至っておらず普及が進んでいないのが現状です。
長年培ってきた発酵技術と製造技術を持って栄養面や加工面での課題を解決しました。
発酵技術によって酒粕や米糠に含まれるアミノ酸量を強化させることで、魚の成長を促進し、健康をサポートする餌を実現。アスパラギン酸やグルタミン酸など、魚の成長と健康に重要な遊離アミノ酸が豊富に含まれています。
遊離アミノ酸は、魚が効率的にタンパク質を合成できるようにし、餌の摂取量を向上させる効果があります。また、カルシウム、鉄、亜鉛などの微量元素も含まれており、魚の骨格形成や代謝をサポート力も期待できます。
【最新】2025/2 の様子です。植物性原料のみでタンパク質30%以上の飼料開発に成功。無魚粉の飼料開発を目指します。
30%配合区では、試験終了時の平均魚体重、増重率および飼料効率が対照区より減少したが、常用使用量区では対照区と遜色のない値であった。また、試験期間中にすべての区で体重の減少は認められず、斃死や病理学的検査で異常が認められた個体がいなかったことから、飼料の安全性を確認できた。
※2024/3/4届出済みの飼料の試験結果です。
試験結果より、少ないタンパク質量でも魚の成長促進が可能になることで飼料効率(FCR)の向上が期待される点に注目しています。しかし、これらの効果についてはさらに実証研究が必要だと認識しています。今後は、大学や専門機関と連携し共同研究を進めることでこれらの効果を検証し持続可能で多様な養殖飼料の開発を目指していきます。
本飼料は、廃棄物として捨てられていた副産物を有効活用し、発酵技術を駆使することで、魚や人の健康を支える価値のある飼料へと生まれ変わらせています。この取り組みにより、高品質な水産物を消費者に安心して提供できるようになります。
さらに、製造プロセスは地域ごとの資源特性に応じた柔軟な対応が可能で、地元資源の有効活用を推進する設計となっています。これにより、地域社会や経済にも貢献できることを目指しています。
養殖業界における「国産の安心安全な飼料」の提供は、国内産業の競争力向上にも貢献